美深町とチョウザメ

チョウザメと言えばキャビアであり、その生産国は主としてカスピ海沿岸のロシア、イランとアメリカですが、わが国の近海にも生息しており、明治、大正、昭和初期までは、天塩川、石狩川や東北地方の大きな河川に遡上していたことが知られています。
近年では北海道沿岸の定置網で年間数尾獲られています。

日本でチョウザメの飼育がおこなわれるようになった端緒は、戦後旧ソ連と北方魚場をめぐる漁業交渉の過程で、両国内における有用魚種の種苗交換が話題となり、1963年(昭和38年) にチョウザメの稚魚とアユ卵との交換が行われたものが最初です。

その後、日ソ漁業科学技術協力年次計画の一環として、日ソ間で種苗交換事業が行われるようになり、1980年(昭和55年)以降に人工交配種であるベステルが水産庁養殖研究所へ導入され、大学、水産試験場、水族館、自治体、民間企業等のチョウザメ飼育に関する研究、情報交換の中で美深町は水産庁への陳情が実り1983年(昭和58年) 水産庁養殖研究所の積雪寒冷地での飼育試験としてベステル種300尾が三日月湖に放流され、チョウザメの町として、水産庁養殖研究所を中心とするソ連産新魚種導入検討会、外国産新魚種導入検討部会に参加、地場特産品の開発事業として取り組んでいます。

チョウザメの養殖

チョウザメの養殖は以下のような流れで行われています。

1採卵・採精

採卵は主に開腹法によっておこない、魚体重10kgの場合8~11万粒を採卵採卵は主に開腹法によっておこない、魚体重10kgの場合8~11万粒を採卵します。
採卵後縫合し、1~3年ごとにまた採卵ができます。 オスはメスより3~4年早く成熟し、毎年採精することができます。

2受精卵

チョウザメの卵は表面 に厚い粘膜層を持っているため、粘着性をとり除いた後ふ化層に入れます。

3ふ化

ふ化は水温15度で6日目から始まり3日間継続します。餌は、配合肥料を与えています。

4稚魚

約30日間で体長8~10cm、体重1.5~2.5gに成 長します。チョウザメの稚魚は、水温9~25度では成長率が向上し、高い方での体重は1ヵ月で2.5倍にもなります。これは他の魚類にはみられないことです。

チョウザメ館について

美深町は1997年に本格的な飼育施設であり、町内外の人々にチョウザメをアピールするための「チョウザメ館」をオープン。世界3大珍味のキャビアで知られ、生きた化石とも呼ばれているチョウザメを無料で見学することのできる施設です。
自然に囲まれた、まるで教会のようなしゃれた建物に、さまざまなチョウザメがいっぱい。美深町には、明治頃までチョウザメが町を流れる天塩川に遡上していたという。そこで町の振興事業として、キャビアの収穫を狙いチョウザメの養殖を開始いたしました。
水族館内には、今でも天塩川に生息するイトウやサクラマスなども展示されていて、奥にある養殖研究所のような施設の展示も面白い。

チョウザメ料理

「びふか温泉」で予約した方にしかキャビアを提供。皇帝にも献上されていた歴史もあるというチョウザメ。その身にはコラーゲンが多く、抗酸化作用のあるカルノシンやたんぱく質、生活習慣病予防に効果のあるDHAなども含んでおり、寿命が延びるとも言われております。
味はクセがなくあっさりと淡白で、例えるなら鯛の甘みとフグの食感に似ています。ぜひご堪能ください。